「臨床的複眼視」

いや、ある文章を読んで、意を強くしましたって言いたいのですけどね。

言って良いのかなぁ。

というのは、長年の友達と勉強していて仲違いしたんです。

友達の探してきた論文に、私は同意できなくて、出来ないと言いました。

言い方が悪かった?

著者がそう言ってるだけでしょって。

社交を重んじれば言っちゃいけないかも知れないけど、一緒に勉強したい訳ですからねー。

で絶交されちゃった訳です。

今回は私の読んだ文章を出そうとしているのですが、著者がそう言ってるだけでしょと言われたら終わりなんですねぇ。

しかもつい最近ある人に意見を聞いたら、著者とは反対のこと言ってたし。

私は著者と同意見なんですが。

今度はまた、反対のこと言ってた人に絶交されるんでしょうか‥。

で、「臨床的複眼視」です。

分裂気質と広汎性発達障害の異同についてです。

あ、藤山直樹さんの第102回日本精神神経学会総会シンポジウムの文章についてです。

著者としては、異同は判明してないし、疾患特異的というよりは精神疾患一般に共通した治療・援助が大事だと云われていると思うんですね。

従来は分裂気質といわれてきたような症例が、どうやら最近では広汎性発達障害とされるみたいで、一体どうよとひそかに悩んでいた私としては大いに安心したのでした。

とはいえ問題があります。

患者に診断名やら、障害年金診断書やらを求められます。

どっちを書くか?

区別は判然としてないんだから好みで書けばって?

分裂気質じゃ通らないだろうから、もう一つの方にすればって?

うーどうも釈然としません。

釈然としない私なので、患者への説明も曖昧です。だってハッキリしないもんをハッキリ言ったら詐欺じゃん。

ってそんなアオい事を言ってて良いんでしょうか。

しかし大学を卒業して臨床医になって、ともかく先輩を見習って形を作って、それにもそろそろ飽きてきたお年頃なのですねぇ。

とはいえ世の中のお約束ってものもある訳で、今あるものを大事に仕事もしなきゃいけない。           かといって教えられたその通りに仕事するだけなんてつまんないし、医学がいつになっても未完の学問である以上はただ従ってちゃいけない筈。

じゃー結局どんな風に仕事をするのか?

どんな風に説明し、診断書を書くのか?

難題です。

ていうより、こうやって余計な事を考えるもんだから他人に絶交されないようにするのが、喫緊の課題です。

ここで喧嘩を売るなって

いや、喧嘩を売ってるのじゃなくて、ただの愚痴です。

うちに来られてる方で、他の科にも通ってらっしゃる方は多いです。

互いに何の薬を出してるかを見ます。

で! 当の患者さんを通じてコメントを聞くことがあるのですね。

ホントにそのドクターが言ったのか、もしかして取り違えじゃないかって可能性もあるのですけどね、妙に気になってそれでここに書く訳です。

個人特定できる訳じゃなし、いいですよね。

 

気分調整剤として抗てんかん薬を出すことがあります。

イライラしたり、怒りっぽいのを改善する目的です。

で、他科のドクターに言われた、らしいのです。

こんなに少量じゃ効いてる筈がないって。

はぁ?

まぁいろんな取り方があります。

精神科診断を他科ドクターがしてはいけない訳では全然ないので、あなた怒りっぽいよ薬効いてないよと言った可能性はあります。

しかし私が考えたのは別の意味でした。

身体科の薬には大抵、有効な投与量だとか有効血中濃度ってあります。

それに達してないと指摘されたのかなと思いました。

‥しかし精神症状に関して、そういうものは無いに等しいのです。

いくら投与したら有意差が出たって論文は山ほどあります。

が、統計的な有意差が、自覚的他覚的に効いたと感じるのと、別にリンクしてないのですね。

そういう論文は見たことありません。

ハミルトンで何点改善したら、臨床的に改善といえるのかって、そういう基準はないです。

ただ統計的に有意かどうかだけ!

だいたいああいう尺度も、症状を数値化するために質の異なるいろんな症状を無理やり一元的に点数にしてあるだけで、重みづけが正しいのかも分かったもんじゃありません。

あー書いているうちにコーフンしてきましたが、そういう訳で投与量と効くか効かないかって、断定できる訳ないでしょアンタ何言ってんのってことです。

‥いやまあまあ、断定したのかどうかも分からないのに怒っても仕方ありません。

でもまさかホントにそういう事言ったんじゃないでしょうねってついつい思ってしまうのです。

私も怒りっぽい? さぁ。