私のお肌と、漢方薬

人間生きているといろんな事が起こるもので、私の場合も息子の突発的独立、クリニックの移転、母の大病と立て続けに勃発しました。

それまで「アトピー体質」などと言われながらも大過なく過ごしてきたのですが、移転前ぐらいからお顔の具合が最悪です。何がどうかというと、ストレスを感じると痒い!のです。

移転は自分が望んでしたのですが、ものすごいストレス因になりました。駅前ビルに空き室を見つけ、こりゃもう絶対、だったのです。どうしても借りたいという弱みがこちらにあり、それで食ってるという絶対的な必要性があちらにあり、口あんぐりな事を言われて手で閉めたらいいのかしらと嫌味を返す余裕さえなく、ふさがらないまでも言い返す気を失って契約が妥結しました。しかし借りてしまえば超快適で、あとは駅前ビルの家賃を払えるほど稼ぐことだけが問題です。

あとの激変も慣れてしまえば収まるところに収まって、ストレスは確かに減りました。今は、例えば医療費の自己負担分は窓口で払っていただき、保険分は毎月まとめて10日までにレセプトという書類をつくって請求しに行くのですが、外来もあるので毎日出しに行ける訳もなく、締切日が近づいてカッカしている時に限って電話やら来客があります。そんな時、グワーと痒くなり、顔を文字通り掻き毟ります。

で、お顔についてはしばらく放置していたのですが、環境が落ち着いたのにあまりにも改善せず、さすがに対策を考え始めました。

まだ去年の暑い頃に、妙に汗かきになっているのに気づき、防已黄耆湯をしばらくのみました。あ、そういえば漢方薬は益田総子先生の本を読みながら手探りでのんでいます。薬が効いたのか、涼しくなったのか、汗かき問題はおさまりました。

しかし冬になると乾燥することもあって、お肌はさらに悪化。

2月にインドで1週間過ごした間は、リシケシュという街じゅうがお酒なし・菜食という特殊な環境で、しかも安宿のため夜は寝る以外になくたっぷり睡眠とったけど、お肌改善せず。

‘purim’というアユルベーダの薬を買ってのんだけど、効いたような、効かないような。むしろインド滞在中に雨が降ったら、お顔が痒くなって、まっかっか。

日本に戻ってから、天気の崩れるときに五苓散を飲むことにしたけど、パッとせず。

ハッと気づいた。他にどこも悪くないのに、天気が崩れると肌の調子が悪いなんて、よっぽど肌が痛んでるのでないか。何しろ痒くなると容赦なく掻き毟る。ショベルカーで地表をがっさり削り取っているのと同じだろう。

炎症をとにかく鎮める黄連解毒湯に加えて、組織を修復する四物湯、イコール温清飲。思いついてのみ始めました。効果はまだ分かりません、何故なら鏡を見ながら思いついたのが今朝だから。

当分荒れた天気みたいだから楽しみだなあ・・・とか言ってちゃいけないのですが。

休診中のご報告

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2月の休診中、何してたかというとインドにヨガしに行っていました。

こっちは週休も返上して働いてるのに休診してインド?!、ふざけるなという声もあるかと思われ(被害妄想?)、ホントは書くかどうしようかと迷いました。

でも当院に来られる方は何かに困っているから来られる訳で、全く同じ立場なら共感はできても違った視点からは見れないですから研修旅行のつもりで行って参りました。

ヨガがすぐ診療に役立つかって、難しいですけれども。

ニューデリーまで往復の飛行機と、ニューデリーと目的地リシケシュ往復(行きはタクシー、帰りは夜行列車)を日本で予約して、あとは出たとこ勝負です。「歩き方」で見た「スリベド・ニケタン」というアシュラム(道場)に行ってみたら空いていたので、そこに泊りました。

アシュラムは修行をする場所で、瞑想をする場所があって、そこで(多分)指導してくれて、ヨガ・ホールがあってそこでヨガを教えてくれます。瞑想も、ヨガも、多分生活全体が修行なのです。だって1泊300円で、部屋が絶句物のボロさ汚さでした、部屋にあったシーツと布団に触るのがはばかられたぐらい。トイレもインド式で、水でオシモを洗って、洗った水を便器に流す手動水洗です。

問題のヨガは、朝9時から10時半、午後4時から5時半でした。で・・・横ヨガです。殆どやったこともないヨガを、インド人が英語で教えるのを聞きながら動作を真似します。右手を左足首につけて、左腕を上に上げて、後ろを見て、20秒キープ、とか何ちゃら。十数人で一緒にやっていて自分だけ英語が聞き取れなかったら、間違えたら恥ずかしいから、神経を張りつめて指示を聞き取ります。・・・そのうち隣の人を真似し始めて、隣の西洋人が英語が分からなかったり、英語は分かっても間違えてたりといったことが頻発するのですが。

緊張して動作を真似し、体に力を入れて姿勢を保って、終り頃には汗びっしょりでクタクタです。そしてヨガの最後は「死人のポーズ」で仰向けに寝て目を閉じます。先生によっちゃ、「もはやアナタと宇宙の間にバリアはない、アナタと他の人の間にバリアはない」等と変な事を口走る人もいますが、たいてい静かに休ませてくれます。

意識を先生の指示に集中させて体に力をいれ、手足を振り回して、疲れた後は脱力。とりあえず余計な事は考えません、考えられません。宿に着くまでにボラれたこととか、日本に残してきた仕事や他の気がかり・・・そんなものは脇にやって、無我夢中で動作を真似してあとは休むのみ。何か気になって気持ちが不安定なときに抗不安薬をのむより効くのは確かです。いつでもインドにヨガしに来たり、日本でもヨガする気が起こるかという問題はありますが。

朝ヨガをして、ご飯を食べると午後のヨガまではヒマです。アシュラムの中庭にある瞑想スペースで、寝転んで過ごしました。はじめは本を読んでいるのですが、暑くも寒くもなく心地よい風が吹いてきて、虫の羽音以外はシーンとしていて・・・つい昼寝してしまいました。「ひとり読書会」を中断したままの『うつの構造』も持っていったのですが、何を書こうかは浮かばず終い。

もう何冊か持っていったうちの『ダライラマとの対談』が面白くて、荷物になるからと長期滞在者にあげたのですが、日本に帰って買い直しました。そのうち「ひとり読書会」にアップしようかと思います。